早いモノで今年も4分の1が終わり、4月を迎えたわけだが、リクルートスーツに身を包んだり、少し着慣れない学生服に身を包んだ健やかなる1年生が町を闊歩している姿はどこか圧倒的だ。
まず、黒い。基本的に黒だ。鞄も靴も服も髪も。個性を押さえつけるが如くみな同色に覆われている。
そして、基本群を形成している。お手手つないで通学したり、外回りの研修だかなんだかわからんが新入社員はだらだらと列を作って歩いている。そして、若干顔がこわばり固まっている。
様は、黒い固まりがそこかしこに蠢いているのが日本の春の風物詩になっていると言っても過言ではない。
やはり、一つレベルアップしているという気持ちが誰にでも少しは存在しているだろうから、少し気も大きくなって、道なんかも我が物顔で堂々と歩いているヤツも多い。小学生や、中学生ならかわいいモノだが、社会人となると全くそのような気持ちにはなれないので、道に列を成して歩いていると少々邪魔に思ってしまう。
一般企業を経験したことの無い私に取ってスーツで働くことや、髪型をかっちりセットして働くことがどういった心境なのかわからないが、決してのびのびとはしていないと言うことは想像出来る。
そんな彼らもあと数ヶ月もしたらいっぱしの企業戦士営業マンにトランスフォームしていると思うと、教育とは重要であると思わざるを得ない。
春というのは教育と洗脳の季節だな。
まぁ、しょうがないか。これだけ気落ちの良い季節なのだから、浮かれるヤツもいれば、知らず知らずのうちに変わっている自分に気付かないやつもたくさんいるだろう。魅力的で魅了的な季節だ。
朗らかな気持ちで町を歩いて、ポケットからタバコが落ちたことを見ず知らずの人に教えてあげたり、おつりが100円多かったので店員に教えてあげたりしている自分も春のせいなのだろうか。
もしそうだとしても、やはり私は何も変わっていない。
落ち着きと爆発寸前の夕方。沈黙と喧騒の夜になり、だんだんと帰る時間が遅くなっているのは仕事が忙しいんじゃなく、いつまでも終わらない仕事を追っているからなのだろう。
数週間前は手袋なしじゃ指がちぎれそうだったのに、夜風はいつの間にか涼しいとさえ思えるようになってきた。
仕事明けで飲むビールはだんだんとおいしくなってきた。これも暖かさのせいなのだろうか。それとも仕事の疲れのせいなのだろうか。友人と呑む酒の肴は、どこか昔より若い話題な気がしてならない。テンションの高さも常に高い。遅れてきた青春なのだろうか。いやいや、そんな言葉を使うより、もっと現実的な言葉を使おう。私はまだ若い。
深夜、自転車にまたがり朝と同じ道を辿る。ピンクの空は、少しだけ星が瞬き、漆黒の天井に変わっていた。南風にひらひらと舞う桜の花びらを出来るだけ全身で受け取る。そんな子どもみたいな遊びが好きなのは、何も難しい理由などなく私がまだ少年だからであろう。
受け止めきれなかった花びらを目で追っ手いくとそこには、ピンクの絨毯が広がっていた。
【徒然の最新記事】

